- 破産手続きの概要
- 破産手続きは、簡単にいえば、現在の負債をゼロにする手続きです。もっとも、何のデメリットもなく負債をゼロにするようなものではなく、裁判所に破産を申し立てる際に一定額以上(東京の場合には20万円(現金は99万円))の資産がある場合、それらは原則として全て換価処分され、債権者へと配当されます。
つまり、破産手続きとはマイナス(負債)もプラス(資産)もゼロにして経済的更生を目指す手続きであるといえます。
- 破産手続きのメリット・デメリット
- 破産手続きのメリットは、原則として負債がすべてゼロになることです。もっとも、養育費や税金等、特定の債権は破産手続きによってもゼロにすることはできませんので、注意が必要です。
これに対して、破産手続きのデメリットとしては、資産がある方の場合、原則としてそれらすべてを換価処分のうえ、債権者へ配当しなければならないため、手続の後、お手元に資産が何も残らないことを挙げることができます。
もっとも、一定額以下(東京の場合には20万円(現金は33万円))の資産は手元に残すことができる可能性も十分にありますし、一定額以上の資産も、場合によっては、自由財産の拡張という手続きによって手元に残すことができる可能性があります。
ご自身の資産(不動産、自動車、保険等)を確実にお手元に残す形での債務整理をご希望される場合には、個人再生手続きか任意整理手続きのいずれかを選択する必要があります。
- 破産手続きを選択するべき場合
- 破産手続きを選択するべき場合とは、①現在、完済の見込みが立たない状態にある(支払い不能)、②自身に資産がほとんどない、又は、自身の資産(不動産や預貯金等)が処分されることとなってもやむをえない、③保証人がついている債務がない、又は、保証人に迷惑がかかってしまったとしてもやむをえない、これらの要件をクリアできるようでしたら、基本的には、破産手続きを選択するべき状態にあるといえます。
- 破産手続きの流れ
- まずは、弁護士が介入したことを債権者に知らせるために、支払いを停止すること、取り立て行為の中止の要請、窓口が弁護士となること等を記載した「受任通知」という書面を全ての債権者へ送付します。この通知を送付することによって、債権者からご依頼者様への直接の請求や、勤務先・取引先への連絡などが停止されることになります。
- 受任通知を受け取った債権者は、「債権届出」という、債権者が現在有している債権内容を記載した書面を、弁護士宛に提出します。そして、債権届出をもとに弁護士が計算を行い、現在の具体的な負債総額を確定させます。
- その間に、ご依頼者様には、自身の家計状況や収入証明(給与明細や源泉徴収票等)、住民票、その他申立てに必要な書類の収集をしていただきます。書類の収集にあたっては、弊所が独自に作成した、収集書類の一覧表を弁護士が事前にお渡ししますので、ご依頼者様はその記載に基づいて資料の収集をしていただきます。
- ご依頼後、裁判所への申立てまでにご依頼者様にしていただくことは基本的に上記の書類の収集作業程度で、債権者への対応等は、していただく必要はございません。
- 弊所では、裁判所への申立てまでに、弁護士とご依頼者様との間で、数回の打ち合わせを予定しております。
弁護士に依頼したあと、弁護士と全く連絡が取れず、事務局とのやり取りのみになってしまう等ということはありません。
- 裁判所への申立て後は、弊所弁護士同席の上で、破産管財人の法律事務所にて面談を受けるため、平日の日中に1時間ほどお時間をいただくことになります(この手続きは、いわゆる管財手続に振り分けられた場合に必要になります。同時廃止手続の場合には破産管財人が選任されないため、面談は実施されません。)。
また、平日の日中に裁判所において開催される、免責審尋(※同時廃止手続の場合。東京地方裁判所では毎週火曜日に実施されます。)又は債権者集会(※管財手続の場合)という手続きにも、弊所弁護士同席の上でご出席いただくこととなります。
- 手続き及び申立内容に問題がないようでしたら、最終的に、裁判所から免責許可決定(債務をゼロにすることについての決定)が出されます。
- 免責許可決定の取得をもって、破産手続きが終了し、ご依頼者様には、心機一転、新しい生活をスタートしていただくこととなります。
- 費用のお支払方法について
- 弊所では、弁護士費用のお支払については、分割でのお支払にも対応しております。
また、法テラスの利用も可能ですので、ご希望がありましたら遠慮なくお申し付けください。